| かみなり ゴロゴロゴロ…。 ピカッ。 外から聞こえてくる決して小さくはない雷鳴と激しい光に陽子は眉を寄せた。 怖がっている訳ではないが、酷く気になる。 落ち着かないその様子に、景麒は感情など全くこもっていなさそうな声をかける。 「そんなに心配なさらなくても金波宮に落ちる事はございません」 淡々と告げられた言葉に陽子はクスリと笑いを漏らした。 無表情、無感動にみえても、その実はただ感情を表すのが下手なだけ。 陽子はそんな不器用な己の麒麟に小さく笑いかける。 「いや、それはわかっているんだ。そうじゃなくて、その下だ。かなり大きな雷のようだから民家などに落ちはしないだろうかと…」 「心配御無用です」 陽子の心配に景麒は気持ちいいくらいきっぱりと言い切った。 それだけでは理解できなかった陽子だが、言葉はまだ続いた。 「雷は自然現象ですが、落雷は天災に当たります。そして、王のいる国に天災は起きません」 そこで一息区切ると、陽子だけにわかる笑みをこぼす。 「慶には…主上がいらっしゃいますから」 思わぬ景麒の笑みに驚くが、それも一瞬。 つられて陽子も微笑んだ。 「そうだな」 これからも雷が落ちることは…当分ない。 |
十二国記です！主従ラブラブです！(笑)
いろんなツッコミ、したくても我慢するように。
しかし慶国ラブラブ主従は書いていて楽しいです。
誰か私に書いてくださらないかしらねぇ。