| 親バカ、バカ親？ 執務室にて、四代目火影はイライラしていた。 机に片肘をつき、目の前に立つカカシに毒づく。 「あのサスケっていう奴は、一体何なんだ！」 「何って…うちは家の生き残りですよ？」 カカシは四代目の八つ当たりにさして気にした風もなく、さらりと流す。だが、的外れな返答に四代目のイライラはつのる。 「そんな事を言っているんじゃない！」 鼻息荒い否定に、カカシはあぁ、とうなづいた。 「もしかしなくても、ナルトですか？」 「そうだよっ！」 四代目はバンッと机に手を突いて立ち上がると、カカシの鼻先に人差し指を立てた。 「カカシッ！ あいつをナルトに近づけるな！」 「そう言われてもね〜」 いきり立つ四代目とは裏腹に、カカシは目の前に立てられた人差し指をグッとつかんでどけると、にっこりと笑った。 「ま！ 無理ですね。スリーマンセルですから」 「そこを何とかするのがお前の役目だろ！？」 あまりにも親バカ炸裂の言葉に、さすがのカカシもあきれてくる。 こんな人物が里の頂点とは……いや、これさえなければ紛れもなく頂点にふさわしい人物なのだが。 カカシはふぅっとため息をついた。 「そんな役目じゃありませんよ、俺は。どっちにしろ、ナルトの方が近づいていくんだから仕方がないでしょ。ま！ 諦めることですね！」 「何だとっ！」 信じたくない事実を聞かされて、四代目はカカシにつかみかかった。 が、それをひらりと避け、 「それより、こんな所で油を売っていたらイルカに叱られちゃうでしょ？ ま！ そういう事で、失礼しま〜す」 軽い調子で立ち去った。 「あっ、コラ、待てっ！ バカカシっ！」 めいいっぱい悪態をつくが、その相手は綺麗さっぱりとその場から消えてしまっている。 四代目は机に両手を突いてうなだれていたが、突如、低い声で笑い出した。 「ふっふっふ……。こうなったら、ヤツに遠い地での任務を押し付けてやる！」 ナルト馬鹿四代目。この時点で理性はすでになく、冷静さもあきれるくらいに欠けていた。 数日後。 企みどおり７班に遠い地での任務を下した。 そして、清々しくナルトを送り出してからようやく気付く。 「あ〜っ！！ 同じ班だから意味がな〜い！」 だが、すでに7班は里を出てしまい、止めるすべはない。 「ナルト〜！」 泣き叫ぶバカ親四代目だが、時すでに遅し。 そんな彼を、周囲の皆々様は生ぬる〜く見守っていた。 |
一度書いてみたかった四代目。
何ていうか…ただのバカ親ですよね？
まあ、書いていて楽しかったですけどね。