コタツ 障子を開けてすぐ、目に飛び込んできた光景にサスケはため息を漏らした。 そこでは黄色い頭のスリーマンセルの仲間兼恋人(？)のナルトがコタツに首まで入り込み、猫よろしく丸まっていた。 だが、サスケはそれをいつまでも許せるはずもなく、冷たく言い放つ。 「…おい、いつまでそこでゴロゴロしているつもりだ？ いい加減に出てきやがれ」 突然振ってきた言葉に驚く様子など見せるはずもなく、ナルトはさらにゴロゴロと動き回る。 「え〜っ！ 寒いってばよ〜！」 「冬は寒いに決まっている」 ナルトの言葉にサスケはまたもや容赦なく言い放ち、コタツに入る事なく畳の上に腰を下ろした。 しかし、大人しく言うことを聞くナルトではなく、さらに言い募る。 「だってだって、正月から任務だったんだってばよ〜！ ちょっとくらい良いだろ〜」 あきらめの悪いナルトに何処がちょっとだと思いつつ、サスケはため息をついた。 「忍びに盆も正月もあるか。それにスリーマンセルなんだから俺だって同じだろうが」 「ちぇ〜っ」 サスケのもっともな言葉にナルトはそれ以上何も言えず、とりあえず上半身だけ起こした。 だが、それだけで終わるはずもなく、テーブルの上にあごをのせながら思いつくままに寒いだの何のとぶーぶー文句をこぼす。 サスケはそれに構わずに忍術書を読み始めるのだが、いかんせんナルトは諦めが悪かった。 いつまでも続く悪態に切れかかるが、以外にもナルト自身の言葉によってそれは途切れた。 「そうだってば！」 何かを思いついたらしく、その顔を窺ってみるとにっこりと笑っている。 その様子に一抹の不安が過ぎるが、さらにニコニコと笑いながらサスケを呼ぶ。 「サスケ！ ここに座るってばよ！」 「何でだよ…」 「いいからっ！」 一応聞いては見るが答えは返ってこず、ナルトはさらに隣をぽんぽんと叩きながら行動を促す。 結局、ナルトには甘いサスケは渋々ながらも言う通りに隣に座ってしまった。 「いったい何がしたいんだ…」 ナルトの突然の行動はいつもの事だが、付き合わされる身にもなって欲しい。 しかし、そんなサスケに構わずにナルトは楽しそうに続ける。 「こうしたらあったかいってばよ！」 言いながらナルトはコタツの中でサスケの手を握った。 「！？」 予想外の行動にサスケが驚くと、ナルトは満足そうにコトンと頭をサスケの肩口に寄せる。 「へへっ！ あったかいってばよ」 「…ウスラトンカチ」 思わず口から出てしまった言葉だったが、どう見ても嬉しそうにしか見えなかった。 |
本当は相互リンクをして下さっているサイト様への寒中見舞いに使おうと思っていたものでした。
しかし、ナルト「正月」とか言ってるし！！いくらなんでも時期はずれじゃ…と思いまして。(^_^;;
結局、寒中見舞いも出せぬまま…。誰？タワゴトで出すって言ってたのは？（すいません、私です…）
こんなのでよければ、もらっていってください。ここ読んで下さった人ならどなたでも…。