■朝城真琴様より■
| 夏真っ盛り――。 ナルトはサスケの家に遊び（涼み）に来て、部屋の隅に転がっている大きなスイカを見つけた。 「なあなあ、サスケー。なんであんな大きなスイカがあるんだってばよ？」 「…近所のばあさんが、１人じゃ食い切れないからって押しつけてきたんだよ」 「食わねえの？」 「……あんま好きじゃねえ」 「じゃあさ、じゃあさ…」 ワクワクした顔をして、ナルトはサスケを振りかえる。 「ヤメロ」 その表情にサスケはイヤな予感を覚え、ナルトが口にする前に、キッパリハッキリ切り落とす。 「まだ何も言ってねえってばよ！！」 「顔が言ってんだよ、顔が」 「………」 うんざりと言った調子でサスケがこれみよがしに溜息を吐き出すと、ナルトはふにふにと己のほっぺたを引っ張った。 ちぇーっとツマラナさそうに唇を尖らせる。 「……聞くだけ聞いてやる、なんだ？」 いつまで経っても未練がましそうにスイカを見つめるナルトに、サスケが仕方なく妥協する。 ナルトの表情がぱっと輝いた。 「あのさっ！スイカ割りしようってば！！」 「…………はあ？！」 突拍子もないナルトの提案に、サスケはしばらく開いた口がふさがらなかった。 そうして任務が休みになった数日後。 ２人は近くの海辺へスイカ持参でやってきた。 特別海辺でする必要はないだろうと渋るサスケに、ナルトはガンとして譲らなかった。 スイカ割りと言ったら海辺！！ 最終的には我が侭を受け入れてしまうのは惚れた弱みなのか。 サスケは深く溜息をつきながらスイカを浜辺へ下ろした。 「行っくぞ〜〜！！！」 嬉しそうな声がしたと思ったら、すでに目隠し準備万端で木の棒を振り上げているナルトの姿。 「ちょっ、待ちやがれ、このウスラトンカチ！！」 ドベなナルトがサスケの気配などを察することなどできなくて、振り上げられた棒は、スイカよりもむしろサスケを狙っているように見える。 「こんの、ドベ――――！！！」 「痛ェ――〜ッ！！」 振り下ろされた棍棒を間一髪で割け、サスケはナルトの頭を思いきり叩いた。 蒼く蒼く澄んだ空の彼方では、そんな彼らをバカにするように海鳥が鳴いていた…。 |
| 朝城真琴様より頂いた暑中見舞いイラスト＆SSです。ナルトのばかっぷリ（失礼な！）がかわいいですｖフリー配布でもあるので、いいな〜と思われた方はもらってきちゃいましょう！ （2002/08/13） |